楽屋で

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楽屋で

 楽屋に引っ込んだ2人プラス1匹は、やってやったぜ。って空気を出していた。 「うむ!よい演奏であった!ここにおわす帝王は、この川峰ただ1匹なり!静也と温羅、帝王にマッサージをせよ」 「踏み潰されたいのか?!この小動物が!」  温羅は激おこしていた。 「ん?何やら、散々男をその気にさせて、いざとなれば、しょうもない言い訳をして去っていく、決してやらせてくれぬ、残念なおぼこの匂いがいたしますな?」 「悪かったわね?莉里ちゃんに言いつけるわよ?」 「おお、いらしたか、姫。余に貢物などあれば、ほれ、そこの長椅子に置かれるがよい」  静也達が座るはずのソファーを差して言った。  どうでもいいけど、どこまで調子に乗るの?このカワウソ。  ああ、初めて見かけた時から、変わってないわこいつ。  バタン。ドアが開いて、恐怖が入ってきていた。 「あああなや!莉里様!いかがいたされ申した?!」  跳び上がった、川峰さんの姿があった。 「いい気になってると思ったんで、見に来たのよさ。川峰さん、お前、プログレを全然解っとらんのよさ」  恐怖の幼児、勘解由小路莉里は言った。 「観客、お前のやってること、イマイチ理解してなかったのよさ。理解出来ないのがプログレ?とんだ思い違いなのよさ。静也と温羅、出てくのよさ。着替えなきゃならんのよさ」 「そ、それで?!助勢仕りますぞ!莉里様!ああ!クティーラ様も!」 「え?莉里ちゃん、今日は、あと蘆原美鈴と鬼哭のおっさんのライブじゃないの?」 「あん?最初は、莉里もそう思ったのよさ。でも、兄ちゃんが」  ああ。鬼哭と美鈴、明日になんのね? 「よく解らんけど、今日がいいっていうから。禿衣装着るのよさ」 「きしゃああああ!お着物なら!お任せあれ!」  うん?ああ、感じたのね?流紫降君も。何かを。 「じゃあ、男共は出て行け。幼児のおっぱいみたいのか?」  静也達は、楽屋を追い出された。  廊下に出たところで、恐ろしい霊気を感じた。 「ああ、みなさん、ちょうどよかった。申し訳ありませんが、暫時ご協力願えませんか?」  とても小さいが、恐ろしく強大な、力を感じていた。  断れる、訳がなかった。
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