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やっぱりヤモリが嫌い
体育教練が始まり、涼白さんの体操着姿に、男子生徒はハアハアし、影山さんの体操着姿に、今度は女子がハアハアしていた。
「見て、あのお尻。凄いガチガチでキュート」
それ、女子の台詞か?まあほぼおんなじこと男子も思ってるでしょうけど。
「紀子ちゃん!頑張るます!」
まあいいけど、口調おかしいわよ?
って、改めて見ると、この子おっぱいおっきい。高校生でFカップって。
まあ、母親が、あの美貌だったし、まあそうねえとは思う。
一通り、教えた通りにトスは上げてくれるし。ただ、
「ぎゃ」
うん。ミニゲームでやると、アタックをトスで上げようとして、まあ、こうなるのよね?
レシーブって、誰か教え――てないのかあ。
「涼白さん、平気?」
「だいじょびい、だす」
鼻血出てるわよ。あんた。
保健室に担ぎ出されることになった。
一方、男子は無難にバスケをやっていたのだが、
「ほい」
ウェイトリー・猫のノールックパスを受け取った影山さんは、ゴールに向かって跳んだ。
「ハーフラインから跳んで、メテオジャムかましやがった。あのヤモリ野郎」
忌々しそうに、ライル・グリフィス・コティングリーは言ったのだが、
「ライル、何故影山さんを嫌うんだ?あれか?地下でやられたの、まだ気にしているのか?」
「うるせえよ静也。いきなりぽっと出の何かが出てきて、師匠に重用されてみろ。誰だってムカつくだろうが」
要するに、嫉妬か。元々そういう感情が薄い静也は言った。
「俺は、影山さんに一切の悪感情がない。むしろ、強く同調していると言っていい。あの可哀想な兄妹の行く末を、見守る義務があるとすら思う」
「で?あのヤモリ、何か酷い目に遭ったりしたか?そうだよ!伏犠だかがいたろう?!女媧とやり合ったって?!どんなんだった?!どんなミルフだった?!」
「何か、ヒステリーでキーキー言ってるが、まあ一般的に凄い美人だったんじゃないかな?影山さんにフラれて立ったまま気絶し、心臓をコッソリ刺された挙句、復活した小鳥遊さんに内側から腹を裂かれて飛び出てきたんだエイリアンみたいに。それで死ぬという、グロさトップクラスの死に様を晒していたな」
何そのホラー。っていうか。
「ヒス起こしてキーキー言ってても、バスティなミルフ?!あのヤモリの分際で!絶対許さねええええ!野郎ぶっ殺してやああああああああ!」
ライルは激おこしていた。
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