中間テスト前の裏切り

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中間テスト前の裏切り

 何か、知らん内に妙なことになっていた。  出し物がお化け屋敷に決まって、じゃあどんなコンセプトでやろうか。とか考えていたら、  無数の業者が、校庭エリアの1番集客数が見込めるような一等地を、おにぎりに買い占められていたことが判明した。  野球部サッカー部は、とうに放逐されていたらしかった。  生徒会長に掛け合ったのだが、「あああ。あの件は、だって、理事長の声もあったからなあ。僕もう引退したし」  生徒会長は、任期の終了をもって、東大現役合格を目指すことが決まっていた。  一応、私クラス委員なんだけど。  クラス団結してことをなさんとしているのに、いたずらにクラスの分裂を招くが如き愚行。粛正してやる。あのおにぎり女!  デッカい重機がゴンゴン言っている中、紀子と小田切は睨み合うことになったのだが、小田切の隣には、見るも不快な汚いイギリス人の姿があった。  おい。お前。 「まあ、そうことでしてよ?お解り?」 「まあ、イギリス人の本質ってのを、解ってるよな?プリンセス」  何がだ?!この排泄物は!  この二枚舌の卑怯もんが!アジア大陸の不和もパレスチナ問題も、全部お前等ライミー(ブリカス)の所為だろうが!  大戦にたまたま勝ったからって、戦勝国気取りやがって2等国家のくせに!  貴様に呪いを。このブリカス排泄物め。  のちに、「中間テスト前の裏切り」と呼ばれる事件であったという。 「まあ!(わたくし)達の方が上であることを、今度こそ解らせて差し上げるわ!渡辺君は差し上げるわ!スクールカーストの下層と精々仲よくつまらないお化け屋敷をやっているがよろしいですわ!おーっほっほっほ!」  鵺春に尻からやれてろお前は。自信たっぷりな不快な背中を、紀子は歯ぎしりして見送っていた。
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