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「駅前広場にてブラックホールの怪人が暴れています。出動お願いします」
司令官の秘書のアナウンスを聞き、俺たちは、駅前広場へと走り出す。ブラックホールというのは地球侵略を狙う宇宙からやってきた怪物の集団のことであり、俺たちはなんと、そいつらに対抗する力を持っているのだ。
人々が逃げる波に逆らい、駅前にたどり着くとそこには吸い込まれそうなほど真っ黒なボディの人型掃除機が布やらポスターを吸い込んでいた。
「うっわ、風つよ! 禿げそう!」
去年高校を卒業したばかりの最年少、黄田は茶色いボブカットを抑えながらリアクションした。せっかく白いシャツの上に黄土色のジャケットとパンツを履いてフォーマルに決めているのに、中身はまだまだ子供だ。
「そうだな。髪がやられる前にやるぞ」
黄田のリアクションに応えた赤城の掛け声とともに俺を含めた五人は左腕にはめていたベルトに業務用のスマホを装着する。そして、右手でそのスマホの赤いアイコンをタップし、叫ぶ。
「テンタイチェンジ!」
すると俺の服装は白いTシャツの上に黒いシャツを羽織ったものから一転、黒を基調とした戦闘用のぴったりとしたものに変わる。そして、首から上も、黒いヘルメットに覆われ、せっかく美容院で整えたセンター分け黒髪はお見せできない状態となった。
「レッドサン」
「ブルーアース」
「イエロースター」
「ブラックギャラクシー」
「ホワイトムーン」
「宇宙を駆ける五つ星! 銀河戦士テンタイジャー!」
赤城ことレッドサンをセンターに5人が並び、腕をレッドサンと逆側に伸ばしポーズを決めた。そしてそのまま、レッドは飛び上がって、掃除機怪人にキックをお見舞いする。レッドの足が怪人の額に直撃し、ふらついたところをブルーとイエローが左右両サイドから銃で狙う。そして、その銃に気を取られている間に俺が背後から剣で頭から足まで真っ二つにする気で剣を振り下ろし、ホワイトが後ろから前に剣で切りながら駆け抜ける。
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