悪者の色

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 買い物は無事に終え、リュックに業務用の小麦粉などを詰め、チャリにまたがる。  学生たちが帰る時間ということもあって、車がビュンビュン通る道沿いをチャリで駆け抜けていく。鼻歌でも歌いながら気を紛らわせていると、俺の耳に嫌な音が飛び込んできた。 「きゃあぁぁぁ!」  絹を裂くような甲高い悲鳴が遠くから聞こえてくる。そして、間髪入れず、俺のスマホも鳴り始めた。町にブラックホールの怪人が現れたということである。 「市役所付近にブラックホール怪人が出現。出動お願いします」  市役所か……反対方向じゃねぇかよ。とはいえ、サボるわけにはいかない。卵が腐らないよう祈って、サドルから尻を離して逆方向に走り始めた。
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