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ゴンドレシア大陸には七つの国がある。かつては我がネールガンドと同様、みな王国であった。
が、僕の高祖父の時代、隣国ラテーヌの王は権力をほしいままにして重税を課し、多くの民が飢え死にした。しかも恐ろしいことに、自らが史師エリオンの生まれ変わりと名乗りだした。
耐えかねた民はついに蜂起する。ラテーヌ王の一族は、三歳の王女も含めて惨たらしく殺され、死体が王都に晒された。
歴史の流れというにはあまりに非情であるが、尊い史師エリオンを騙った報いというべきか。
ラテーヌの革命を機に、現在、七つの国のうち四国が共和制に移行している。
このネールガンドにも革命の機運が持ち上った。が、高祖父トーマス七世が渋々ながら権力を捨て、我が国が立憲君主制に移行したため、王家は生き延びたのだ。
それゆえネールガンド王家は、質素倹約を旨としている。奢侈に溺れ、隣国のように一族皆殺しにされてはたまらない。
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