〇吉田酒販・総務課

1/1

4人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ

〇吉田酒販・総務課

スマホのメッセージアプリ画面。 「吉本弘美」をタッチ。 画面切り替わる。その一番下に。 「ごめん。急にお客の所、行かなくちゃなんなくてさ。でもゆう君の出番までには間に合わせるから。また後で」 指が画面をスクロールすると、一枚の写真。 指は画面をタッチしてそれを大きくする。 写真は、ギターバッグを背負った村山と、浴衣の弘美の自撮りツーショット。二人は一つのかき氷の、あっちとこっちからストローを差して一緒に吸っている。 ギターバッグを背負った村山、スマホをスーツの内ポケットにしまうと、ドアの方に向かう。 村山「すいません。先に上がります。伝票は片しましたんで。残しとくと部長に仕事取られちゃう」 奥のデスクの相澤、村山の方を向く。 相澤「残す方が悪いんだ。急ぐんだろ。早く帰れ」 村山「部長もたまには」 相澤「俺はいいんだ。お疲れ」 村山「お疲れ様です」 と言い、左の耳たぶを掻きながら部屋を出て行く。 その姿を見てはっとした表情になる相澤。 相澤「あいつ」 と言いながら左の耳たぶを掻く。 相澤「そう言うことか」 と言いながらデスクの引き出しを開け、スケッチブックを開く。
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加