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〇吉田酒販・総務課
スマホのメッセージアプリ画面。
「吉本弘美」をタッチ。
画面切り替わる。その一番下に。
「ごめん。急にお客の所、行かなくちゃなんなくてさ。でもゆう君の出番までには間に合わせるから。また後で」
指が画面をスクロールすると、一枚の写真。
指は画面をタッチしてそれを大きくする。
写真は、ギターバッグを背負った村山と、浴衣の弘美の自撮りツーショット。二人は一つのかき氷の、あっちとこっちからストローを差して一緒に吸っている。
ギターバッグを背負った村山、スマホをスーツの内ポケットにしまうと、ドアの方に向かう。
村山「すいません。先に上がります。伝票は片しましたんで。残しとくと部長に仕事取られちゃう」
奥のデスクの相澤、村山の方を向く。
相澤「残す方が悪いんだ。急ぐんだろ。早く帰れ」
村山「部長もたまには」
相澤「俺はいいんだ。お疲れ」
村山「お疲れ様です」
と言い、左の耳たぶを掻きながら部屋を出て行く。
その姿を見てはっとした表情になる相澤。
相澤「あいつ」
と言いながら左の耳たぶを掻く。
相澤「そう言うことか」
と言いながらデスクの引き出しを開け、スケッチブックを開く。
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