6、日曜日は

2/3
前へ
/53ページ
次へ
 さちは、昨日のことを思い出して反省をしていた。 可愛げがないな……と自分のことを思った。所長は大人だから、気分を害しても外には出さない。 ラインで「おやすみ」って送ってくれたから、すごく怒ってることはない……よね。 同じことをグルグル考えているのが嫌で、さちは飼い犬のモモの散歩に出ることにした。 こんな日に限って剛史とバッタリしてしまう。昔からそうだ。小学校の同級生なんて本当に最悪だ。 剛史は、コンビニ帰りだったようで白い袋を下げていた。 「よう。元気?」と剛史は、自然に声をかけて来た。これが10年前なら飛び上がるほど嬉しかっただろうなと、さちは思った。剛史は、さちの横にピッタリついて尚も話しかけてくる。 「あのさ、武藤のことって何よ。俺、気になっちゃってさ」 「ごめん。言えないの。言ってはいけなかった。ごめんなさい。忘れて」 「う〜ん。もやもやする。じゃあさ、昔のこと蒸し返していい?覚えてるかな。雨の日に太田と誰かが後ろを歩いていて、俺達みんなで呼んだのにシカトしてたこと」 「覚えているよ。西田君と悪い仲間が、こっちへ来いって言ったでしょう?私たち怖くて動けなかったの。私からも訊くね。どうして、あの子達と仲良くしていたの?西田君らしくない」
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加