18、初心者同士

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 さちはベッドに腰掛けてドキドキしていた。こういうシュチュエーションには、どうしたら良いのか戸惑っていた。 達也もバスローブを着て部屋に戻ってきた。そして、ベッドの上に正座をした。慌てて、さちも向き合って正座をした。 「僕は、オジサンだけど女の人と寝たことがない。さちに経験があるのなら教えてほしい」 達也が出した結論はこれだった。知らないものは正直に言ってしまおうだ。 「私もありません。今時、24にもなって何もないなんて言えなくて、友達がそういう話をして来る時は、さも経験豊富なフリをしていました。でも、それで良かったって思ってます」 「そっか、2人とも初心者なのか。じゃあ、取り敢えず頑張ってみようか。僕は男だから申し訳ない気持ちもあるけど、やっぱりこれで良かった」  そういうと達也は、さちに近づいて、ゆっくりベッドに彼女を横たえた。そして、彼女のバスローブの紐に手をかけた。  初めて同志のセックスは、ロマンチックというよりは試行錯誤の繰り返しで、やっと結ばれた時には2人とも汗まみれだった。さちは、痛い幸せを初めて知った。達也は、女性の身体の美しさと柔らかさを知った。それは、自己処理とは全く比べ物にならない体験で、幸せという言葉がぴったりだと思った。 達也は避妊をした。ゴムの扱い方は家で練習もした。 続けて2度目もした。最初の時よりスムーズに行った。夫婦はこうやって慣れ親しんでいけば良いと思った。
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