1、イタい片思い

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1、イタい片思い

 曽我部達也は、2年前からジタバタしている。それは心の中でだ。 15歳も年下の女の子……女性に片思いをしている。達也は女性とプライベートなお付き合いをした事がない。このジタバタの解消方法がわからない。  大学の男友達の3分の2は既婚者だ。奴らだって自分と似たようなモノだったのに、いつの間にか結婚して父親にまでなっている。どうしたら、そこまで辿り着けるのか、手順が全くわからない。  彼女「太田さち」は2年前に達也の事務所に就職してきた。 新卒の社会保険労務士の資格持ち。とても優秀で見るからに真面目そうな女性だった。  そして、見た目はモデルみたいだった。  背が高い。165はある。それに高さのあるヒールを履いているから、身長167センチの達也は見下げられているような気分になった。  一般人とは思えない顔の小ささ、手足が長い。一重瞼の整った顔。  達也は最初から、さちとは住む世界が違うと思った。 部下として礼を持って自分に接してくれるだろうが、男としては見てもらえない。出会った瞬間にわかってしまった。  ああいう女性に似合うのは、もっと背が高くてイケメンで爽やかな奴だ……。
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