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泥酔の果てに
その日は一杯のみながら一人で夕食をとっていた。
週末の夜はいつものあの彼が遅番なのを知ってたから。
月曜日はお店がお休みで火曜日から木曜日はランチ時、そして金曜日は夕方からの出勤で最後まで。土曜日はいつもいない。日曜日は時々。
もう彼の一週間の出勤予定は、だいたい把握してる。
ラストオーダーを取りに来るのが大概その彼な事も、知ってる。
「まもなくラストオーダーですが何かご注文はございますか?」
いつものように彼が聞いてくる。
「あ、じゃあビールと黒トリュフのニョッキにしようかな。」
「かしこまりました。」
はぁ。今日も笑顔が素敵。爽やかなあの笑顔に今日も癒されて私の1日がまもなく終わる。
っと、去っていく彼をもう一度呼び止めたくなって声をかけた。
「あ、すいません。あと最後にグラスワインももらっちゃおうかな…」
「はい。すぐにお持ちします。」
これがよくなかった。
最後のこの駄目押しの一杯が…
あんなことになった…。
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