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目が覚めたら彼の部屋でした。
「お客さん、閉店の時間です…」
最後に彼にそう声をかけられたのは覚えてる。だけどその後の記憶がない。
目が覚めたら知らない部屋のベットの上。
「ん?」
嘘でしょ…。毛布の下は裸に下着だけ。
「え?え?」
周りを見回すとシンプルな部屋。なに?どうなってる?
そろりとベットから抜け出した。
私の服はどこいった?
とりあえずその辺に転がってたTシャツを掴みそれを着た。大きくて丈が長いからギリギリお尻が隠れるけど。太ももが丸出し。
そっと部屋の扉を開けると洗面所の方から音がする。
ソロソロと歩き洗面所を覗くと若くて背の高い男の人の背中。洗濯機に洗濯物を入れてる。そして振り返って目が合う。
「あ?起きた?おはよ」
「え?ど、どうして?」
嘘でしょ?彼だ…。あの彼だ。
「ワインの汚れは手洗いしてこれから洗濯機で洗っちゃうから。」
「え?あの…。」
「ん?」
「ごめん、これどう言うこと?」
「は?」
「何であたし…。」
「え?もしかして覚えてないの?」
「ごめん…。」
「ここまで自分で着いてきたじゃん。
あんだけ帰れって言ったのに。
ワイン自分でひっくり返したくせに俺のせいにしてさ。」
「え?」
「弁償しろって騒いだ上に。
着いてきたじゃん。俺のうちまで。」
うわ…。やってしまった。
「えっと…。」
あわててTシャツの首もとから胸を覗き込む。
まさか…ね。それは無いよね?
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