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響はスマホを取り出した。
「オレに考えがあるんだ。あと15分で昼休み終わるし、個人チャットで呼んでみる」
一体響は何をするつもりなんだろ。
「大きめの石とかもってくる?」
「いらねえよ! お、来たぜ。他のヤツいたら恥ずかしいと思うから、2人も隠れててくれ」
私と穂村は、急いで物陰に。土を踏み締める足音が。風磨は明らかにめんどくさそうな顔をしている。
そよ風が2人の髪を撫でていた。木陰が風磨の顔に闇を作る。
「何? まだ謝罪が足りねえって?」
悪態にも怯まず、響は深呼吸。そしてまじめな顔で言い放った。
「風磨さ、黒歴史あるんだろ」
……え?
「人とは違う孤高の自分を演出しようとしたことがあるんだろ。だからオレを見て恥ずかしくなっちゃうんだよな」
響は親指を立て、頑張って笑顔を作っている。
「は?」
「でも気にしなくていいんだぜ! 風磨は風磨のままでいいんだ!」
風磨は顔真っ赤。要するに響はこう考えていると。
自分の黒歴史が恥ずかしいから、意地悪しているんだって。どうやら図星の様子。
「でもオレは自分を変えたくないんだ。これが一番リラックスできるからな! そこは理解してくれ!
それに風磨にも幸せになってほしい。黒歴史を恥じないでほしいんだ!」
これはエグい! 響に悪気がないのが余計にきつい!
「やめろよ!」
ついに風磨は叫んだ。泣きそうになっている。
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