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相手を選ぶ風の子
そしてその5分後、午後の訓練が始まった。
筋肉痛も昨日よりはマシ。引き続き、空を飛ぶ訓練をする。すぐ近くで響が蓄電器と対決していた。
一通り飛び回った後、私は響の異能を使うことにした。
「どうだ、オレの電撃使えてるか?」
「ブッパしたら筋肉痛になるみたい」
「毎日使うしかねーな。蓄電器買って、スマホとかの充電はそれでやるって決めておくといいぜ」
その手があったか。合宿終わったら蓄電器を買おう。私はしょぼい雷を床に落としてみた。
「響どうだ? お、昨日より電力上がってんじゃん」
ロックンロールがやってきた。
「レナもいい感じに飛べてるし、今年は大漁だな!」
「……ついでに人生相談いいっすか?」
響は少し真面目な顔に。
「どうしたどうした」
「ロックが強くいられる理由、何かあります?」
これまた突っ込んだ質問だ。ロックンロールといえば可憐憧れの人。
異能を理由にいじめを受けたこともあるが、今では異属性の人気異能師。
可憐はグロテスクな異能に悩んでいたけど、ロックのおかげで立ち直れた。だからこの人みたいな『男気のある異能師』を目指してるってわけ。
「そーだなあ……ちょっとばかし思い出話してもいいかい?」
ロックは、離れた場所で鈴音の指導をするノイズ先生を指差した。
「俺たちさ、同じクラスだったんだよ」
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