4人が本棚に入れています
本棚に追加
「オレさ、友達できて思ったんだ。人間関係はギブアンドテイクだって。
だからメリットがある存在にならなきゃって思ってる」
響の顔は険しい。
「……確かにそうかもね」
それは私も思う。メリットがなきゃ、誰も私と付き合いたいって思わないよね。
「無条件で愛してくれるのは親だけだ。だから人助けできるようになりてえんだけど……」
「おいレナ」
風磨が風に乗ってやってきた。そして渋い顔。
「飛び方教えてやるよ。地面と空のルールは違う。踏ん張りが効かないからまずそれに慣れろ」
かなり助かるアドバイス。
「ありがと風磨!」
すると風磨は響を睨む。
「復讐できてよかったな」
「違う。自分を恥じないで欲しいだけ……」
「善意でやってんならエグいな。次はどんなご親切をするつもりなんだよ」
「何かあったらその……オレでよければ……」
「誰が言うかよ」
風磨は風から降りた。
「俺のこと知ろうともしねえくせに」
響が青ざめた。私も同じ。
正体がわかるまで、性格の悪い2軍男子だって思ってたもん。
親切にしてもらってたくせに、雰囲気だけで決めつけていた。そのまま風磨は行ってしまった。
「どうしよう……」
響は自分の過ちに慄然としている。私もそう。
つばさちゃんの手紙には、私を励ます言葉ばかり並んでいた。私が愚痴ばっかり書いたからだよね。
もし何かあったら、それを誰に話せたんだろう。
最初のコメントを投稿しよう!