相手を選ぶ風の子

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「オレさ、友達できて思ったんだ。人間関係はギブアンドテイクだって。  だからメリットがある存在にならなきゃって思ってる」  響の顔は険しい。 「……確かにそうかもね」  それは私も思う。メリットがなきゃ、誰も私と付き合いたいって思わないよね。 「無条件で愛してくれるのは親だけだ。だから人助けできるようになりてえんだけど……」 「おいレナ」  風磨が風に乗ってやってきた。そして渋い顔。 「飛び方教えてやるよ。地面と空のルールは違う。踏ん張りが効かないからまずそれに慣れろ」  かなり助かるアドバイス。 「ありがと風磨!」  すると風磨は響を睨む。 「復讐できてよかったな」 「違う。自分を恥じないで欲しいだけ……」 「善意でやってんならエグいな。次はどんなご親切をするつもりなんだよ」 「何かあったらその……オレでよければ……」 「誰が言うかよ」  風磨は風から降りた。 「俺のこと知ろうともしねえくせに」  響が青ざめた。私も同じ。  正体がわかるまで、性格の悪い2軍男子だって思ってたもん。  親切にしてもらってたくせに、雰囲気だけで決めつけていた。そのまま風磨は行ってしまった。 「どうしよう……」  響は自分の過ちに慄然としている。私もそう。  つばさちゃんの手紙には、私を励ます言葉ばかり並んでいた。私が愚痴ばっかり書いたからだよね。  もし何かあったら、それを誰に話せたんだろう。
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