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「待ってろ雷門」
風磨は回復ペンライトを取り出す。ピンクのハートの石がついた、魔法のステッキみたいな棒。異能師の必携アイテムだ。
響の怪我がすぐに治った。
「悪いな」
「別に、仕事だから。レナと穂村は……平気だな」
風磨はペンライトをしまい、なんと響に手を差し出した。だが。響は首を振る。
「オレの異能じゃ山火事起こすし……みんな置いてってくれ」
「……ノイズ先生のことだし、こういう友情ポイントも見てるんじゃねえの。行くぞ。穂村もレナも来いよ」
とりあえず人数多い方が有利だろ。雷門と穂村は回復役よろしくな。こうして即席パーティーが完成。
色々あるメンバーだけど、今はやるべきことに集中だ。
「私が飛んで先生探す。手に火をつければ、夜でも見えるでしょ。風磨は2人を風で運んで、森の中を追いかけてほしい」
私の作戦にみんな頷いた。私は空を飛び、暗い森の上を飛ぶ。爆発音と煙を頼りに、ノイズ先生を空から追いかけた。
煙が見えた。私は急降下して地面に降り立つ。今度こそ先生を見つけた。
クノイチみたいなコスチュームが似合う、麗しき異能犯罪者。
「エマーチェンジか。さあ私を捕まえてみろ」
みんなまだかな。使える異能は全部使って……。
突然鳩尾に衝撃が。長く伸びた腕が、私の急所を殴ったのだ。
「異能犯罪者がいつも1人とは限らないぜ!」
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