4人が本棚に入れています
本棚に追加
ロックンロールが長髪をなびかせて参上した。袖のない革ジャンにえんじ色のパンツ。
手にはいくつもの指輪をはめている。
痛い……でもやらなきゃ。私は氷川の氷で捕まえようとするが、手元が狂ってしまう。
異能師のコスには痛みや衝撃を和らげる機能がついている。でもそれでも痛い。
「レナ!」
この声は風磨。そして響と穂村も風に乗ってやってきた。
私は負傷。響と穂村の異能は使えない。風磨の風だけじゃ……。
「うまくいくかわかんねえけどやるぜ!」
響の微弱な電撃が、体に流れ込んでくる。どうやら全員の体を強くした様子。
「じゃあ俺は風の壁作るわ」
ノイズ先生の爆発セミも、風磨の風でブロック。すると先生たちは逃げようとするが。
風磨は風の進行方向を自由自在に操り、先生の行く先々に逆風を吹かせた。あとは捕まえるだけだ。
私と穂村は手錠を取り出し、先生たちを取り押さえた。腕力のない私だけど、今は響のおかげで力が強くなっている。
見事、私たちは勝利した。
「やったな!」
穂村は晴れやかな顔。響も嬉しそう。でも風磨は無表情だった。
宿舎に戻る最中、響がポツリ。
「善意押し付けてごめん。オレも思い上がってたよ」
「……別に。仲良くもねえのに、俺のことなんか知るわけねーしな」
聞かせろよ。レナと何があったんだよ。風磨は響に問いかけた。
最初のコメントを投稿しよう!