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「……実際ダメだろ」
「弱いものいじめをしないのはいいことだけど、弱いものにもプライドとかあるからな。他の人にも親切にしろよ」
「……そうだな」
私も何か言わなきゃ。
「……頑張ってね」
これしか出てこなかった。
「レナは俺のこと嫌いなんだろ」
「悪口を言う風磨は嫌いだけど、誰かに親切にする風磨は好きだよ。だから……」
だから……なんだろ。言葉が見つからない。すると風磨は頷いた。
「……そうするわ。俺も佐治と草壁に縁切られたくねえし」
どっちも龍組の男子で、風磨とよく一緒にいるよね。
「あとレナに見捨てられたくねえし、雷門みたいな子を傷つけたくもねえ」
それに、と風磨は宿舎へ向かった。
「俺だって破滅したくねえ」
宿舎のロビーは、冷房が効いてて涼しい。風磨は響を振り返る。
「雷門さ、メリットがある存在になりたいって言ってただろ。友達が欲しいなら必須だぜ」
「おい、変なプレッシャーかけんなよ」
穂村が止めるが、響は頷いた。
「うん。頑張るぜ。今日はお疲れ様!」
そうだね。私も頑張らないとね。
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