第一話 手紙

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第一話 手紙

 水嶋あかりは、今日も笑顔で仕事をしている。小児科に勤務しているからという理由もある。  「まひろくん、お熱測る時間だよー」  「あかりちゃん、また測るの!?嫌だ」    都築真尋(つづき・まひろ)君は、五歳の男の子で、今でこそ元気いっぱいだが、心臓の病を患っている。  海浜総合病院は、その名の通り海を見下ろせる病院。病床数は、七百五十床。患者のなかには、病気療養をするために入院する人もいる。  「測らせないと、先生に言って注射しちゃうよ」    「!?」  「わかった、測る」
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