2012年9月18日 教室にて 色季 望 10代(学生)

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「……え?」 「だから、糸川(いとかわ)のケツを掘れって言ってんだよ」 「いや……それは」 「は? なんか文句あんのか? 散々しゃぶった仲のくせによ」 「で、でも……」  目の前の男子生徒は取り巻きに囲まれて、はぁーとため息をついた。 「お前さぁ、俺が誰か分かってるわけ?」 「友清(ともすみ)君……」 「そう! 友清くんは社長の息子なんだよ! しかも、親族経営の零細企業じゃなくて、あのハッピーハッピー☆フレンズの社長の息子!」 「そうだよ」  ニヤニヤ笑う友清とその取り巻き。俺は下を向いて唇を噛む。 「だから、俺に逆らったらどうなるか分かるよな?」  下品な笑い声が教室中に響き渡った。今は放課後。担任は職員室に行ってしまって助けは来ない。 「分かったよ」  ズボンとパンツを下ろした。糸川(いとかわ)の息を飲む声が小さな悲鳴みたいに聞こえた。 「カメラ回しとかないとなぁー」  友清は、親父に買ってもらった高いカメラを取り出して構えた。 「この番組はァ~ご覧のスポンサーの提供でお送りしまぁ~す!」
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