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「最初は、色季さんが糸川君に告白をして……からかわれたのが始まりだったと思います」
二十代女性は俯きがちに、インタビューにそう答えた。
「それで、逆恨みして……悪口を言ったり、丸めた教科書で叩いたりしてました、はい」
『いじめの加害者が、被害者に告白をしてからかわれたのがきっかけ』
そうテロップが流れる。
「いじめはだんだんエスカレートしていって……まさか……まさか、あんなことになるなんて。あのとき彼を止めていれば……うう……」
『まーん()は泣けばなんでも許されると思ってるな』
送信をタップする。視聴率の高いドキュメンタリー番組だったこともあり、瞬く間にいいねとRTが稼げて、ほくそ笑む。
「お、インフルから引用ついてんじゃん」
『つまり、この女さんがいじめの原因なんですよね。人の告白を笑って心を傷つけておいて、被害者が死んだら私可愛そうぴえんですからね。この告白ってのも、ホントにホモかどうか分かりませんよ。いじめたい男子に告白をさせたのかも。これが女さんの負の性欲の正体です』
「うは! やべーめっちゃインプ伸びてる~~!」
『男同士のいじめを操ってるのは女ってことか。女こえー』
『俺がいじめられてたときのこと思い出した。女どもは助けてくれなかった』
『このまんさんホントきしょい。レイプされろ』
好意的な引用RTに次々いいねとRTをタップしていく。
『何で男同士のいじめで女叩き出来るんだよ。チー牛頭おかしくて草』
「はぁ!? この」
「ヒロくん、ごはんよー」
「はーい! 今行く!」
誰もいなくなった汚い子供部屋に軽快な音楽が流れだす。
「この番組は、皆に希望を届けたい。ハッピー☆ハッピーフレンズの提供でひきつづきお送りします」
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