『枯れ専じゃない』ことを証明するため、女子高生は『先祖の記憶、遺伝する説』を推す。

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 梨々が老紳士と疎遠になったのは、 「だってー。おじいさんと話してると、真人くん、機嫌悪くなっちゃうんだもーん」  という、事情があるから。  玲香はニヤニヤ笑いながら、 「うっわー。束縛激しそー。ダイジョーブ? アンタの彼氏、そのうち暴力振るったりしちゃうんじゃないのー? うわー、こっわーい。気を付けなさいよー?」  と茶々を入れ、梨々は余裕顔で、 「嫉妬したって、真人くんは暴力なんか振るわないし、ヒドいこと言ったりしないもん。ちょこっとすねちゃうだけだもーん。……クフフッ。かっわいーんだから」  とやり返す。  親友二人が共にいる時間は、前より減りはしたが。  相変わらず仲は良く、うまく行っているようだ。  暇な時間を持て余しているように見える、玲香はと言うと。  老紳士と毎日のように公園で会い、薄暗くなるまで、ベンチで語り合っている。  枯れ専の傾向は、梨々ではなく、玲香の方にこそあったのか?  否。  恋愛というよりも、年の離れた友情が生まれつつあるといったところだろう。……とりあえず、今のところは。  この先、絶対に恋愛関係には発展しない、と断言できるわけではないが。  可能性としては、ゼロではないという程度ではあるまいか。  どちらにせよ、まだ若い彼女達には、無限の可能性が広がっている。  今はただ、幸多かれと願うばかりだ。
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