『枯れ専じゃない』ことを証明するため、女子高生は『先祖の記憶、遺伝する説』を推す。

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「昨日も、公園に行ったんだけど」 「ああ、そう。懲りずにまた、ストーカーしてたんだ?」 「ちょ――っ、やめてよ! ストーカーじゃないってば。見てていいかどうか、ちゃんと本人に訊いて、了解ももらってるんだから」  梨々は両手を前に出し、真っ赤になって否定する。  玲香は呆れた顔つきで頬杖をつき、 「あーそう。……けど、アンタもよく飽きないわね。絵ー描いてるとこなんか、見てて楽しい? アタシには、さっぱり理解できないわ」  再び眉間にシワを寄せ、軽く首を振った。  梨々はぷうっと頬を膨らませると、『いーでしょ、べつに』とそっぽを向く。  ストーカーとは、穏やかではないが。  彼女が想いを寄せている幼馴染の同級生、小川真人(おがわまさと)が、美術部の課題だか何だかで、このところ毎日、学校近くの公園で絵を描いているのだ。  幼い頃から彼に想いを寄せる梨々は、少し離れたところから、その様子を見守っている、というわけだ。
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