『枯れ専じゃない』ことを証明するため、女子高生は『先祖の記憶、遺伝する説』を推す。

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「――とすると、『先祖の記憶は遺伝するか?』、証明できる可能性はなくなったわね。詰みよ、詰み。この話はこれでおしまい」  玲香は椅子の背もたれに寄り掛かり、両手を頭の後ろに回す。 「そんなことないわよ。ばあばが無理なら、直接本人に訊ねればいいんだから」  梨々は不敵に笑って腕を組むと、玲香と同様、背もたれに寄り掛かった。 「え? 本人って……じーさんに?」 「当たり前でしょ。他に誰がいるの?」  梨々の答えが予想外だったのか、玲香は目を丸くしている。  長い間、片恋相手に対し、何のアクションも起こせなかったことからもわかるように。梨々は、積極的な性格ではない。  その梨々が、『直接本人に訊ねる』などと言い出すとは……。 「善は急げって言うし! 今日公園に行って、おじいさんがいたら話し掛けてみる。明日、結果を報告するね? 楽しみにしてて!」  ひたすら意外そうに、ポカンと口を開けたままの玲香を前に。  梨々は両手を握り締め、意気揚々と宣言した。
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