3

4/4
前へ
/40ページ
次へ
  帰ってから、本郷と少しチャットをした。 >そうか、ご両親、離婚されたのか >昔のことだ。今は連絡もとってない。ただ、妹が幸せにやってて欲しいとは思う >うちは、母と兄がいない >そうなのか >それだけのこと。特に話すほどの事もないんだけれどな >なんか似てるとこあるな、俺たち >キモ >ひっでぇ >私はあんたのような生き方はしない。あんたも今の生き方をやめるべきだ >どうにかなることはどうにかしたい、と思ってるけどな >あんた、自分が何したいかわかんないんじゃない? >痛いとこつくな >痛かったか? すまない。あんたの痛みは、私にはわからない >それはあたりまえだ。人の痛みがわかるなんて言うやつ、俺は信用しない >キモ >なんでだよ >でも、私も見てたんだ >何が >今夜の花火。祭りにはいなかったけれど、あのとき、私はあんたと同じものを見ていた  俺はしばらく、その文面を見て固まってしまった。  本郷六華のものいいは単刀直入で、こういう意図を考えさせる言葉選びというのは記憶にない。 >なんでもない。寝る  リプできないでいるうちに、そんな吹き出しが現れた。 >寝ろ  そう返して、俺もスマホを置いた。   
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加