恋した相手は、

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久保くんは完全に油断していたのか、顔を引き締めて構え出す。 続いて私が打ち込むと、今度は久保くんに捕らえられて、しばらくラリーが続いた。 何度かお互いに点を入れられるのが続いて、残り三十秒になった頃——突然小さな円盤が大量に投下された。 「ちょ、なんだこれ!?」 「きゃー! なになに! これどうしたらいいの!?」 予想外の展開にみんな慌てながらも、必死に相手の方へと打ち込んで、声を上げて笑いながら試合が終了した。 そして、ほとんど末永くんの得点のおかげで、私たちの勝利になった。 「あー……じゃあ、俺がみんなのジュース奢るわ〜」 久保くんがフードコートに飲み物を買いに行ってくれることになり、美歩は持ち切れないからと手伝いにいく。 テーブル席に座ると、目の前にいる末永くんからじっと見つめられていることに気づき、体を強張らせる。 「……末永くん?」 「今日、楽しんでくれてる?」 「うん。楽しいよ。エアホッケーとか久しぶりで燃えた!」 すると、末永くんは顔をくしゃっとさせて笑った。 恥ずかしいことにエアホッケーで、かなりはしゃいでしまった。たまにはこういう遊びも楽しいなぁ。 「俺の気持ちに応えられないことはもうわかったけど、それでもやっぱり好きだなって思う」 突然の発言に目を見開く。
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