きみだけは対象外（のはずだった）

恋をするなら彼ら以外

私にとって大事な人だけど、この好きは恋じゃないと思っていた。

「俺のこともっと知って、俺のことしか見えなくなればいいのに」

いつも余裕そうな彼が今は余裕がなさそうで、目が離せなくなる。

「私に……教えて」
いつから私はこんなにもこの人のことを好きになっていたんだろう。

「——のこと、もっと教えてほしい」
いっぱいいっぱいで自分でも冷静ではないことはわかっている。

それでも私はもっと彼のことが知りたい。

あの頃はまだ、恋なんて知らなかった。