恋をするなら彼ら以外

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ふと目に留まったのは開かれたままの雑誌。 そこには雪斗が優しげな笑みを浮かべていて、「ねえ、もう少しだけ一緒にいよ?」なんて台詞がつけられていて女の子に甘えているようだった。 そしてそこには<透明感あふれる天使な笑顔・雪斗>と書かれている。 「もー!」 この顔に騙されている女子の皆さん、この男はこういうやつですよ! 可愛くもないし、ピュアでもないし、天使でもないから! 雪斗のページのキャッチコピー間違ってるから!! 「ふゆ、そんな怒ってると不細工になるよー」 「うっさい!」 ニヤニヤとしながら声をかけてくる海くんを睨みつける。雪斗の次に面倒な人だ。 「ほらほら、口の悪さが雪斗に似てきてるー」 「似てない!」 幼馴染で兄と幼稚園の頃から一緒の宿利海くんはクールな雰囲気をまとったイケメンで大人びて見える。 けれど、中身は女の子大好きでだらしない。 宿題だって面倒とか言って小学校の頃から私にやらせてくるようなダメ人間だ。
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