恋をするなら彼ら以外

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「いつも眉間にシワ寄ってるだろ、こいつ」 「誰のせいで!」 「おお、怖」 雪斗は呆れるくらいのナルシストで、悔しいことに小さい頃から女の私よりもかわいいと言われて男子にモテていた。 昔っから女心をわからず土足で踏み荒らして高笑いしているような兄だ。 彼女でもできて幻滅されたら少しはマイルドな性格になるかな……。 それにしても外でこの性格がバレないことが不思議。 面倒なので部屋に逃げ込もうとすると、オレンジジュースが入ったグラスを海くんに奪われる。 「ふゆ、学校は楽しいー?」 にっこりと微笑んで聞いてくる海くんになんだか嫌な予感がした。 「え、うん。まあ、楽しいけど」 「へえ、俺らに内緒で受けた学校は楽しいんだねー」 「うっ」 ……まだ根に持ってるよ、この人。
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