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「まあ、無理か。俺みたいな兄がいたら理想が高くなるしな」
また雪斗がふんぞり返っておかしなことを言い出した。
「むしろ逆でしょ! 私は絶対イケメンとは付き合わない!」
顔がいいとこうなるって例が目の前に三人もいるんだから、避けたいに決まってる。
「はいはい、それ聞き飽きた」
呆れたようすの雪斗はモナカアイスを食べ始める。もう私の話なんて聞く気がないらしく、もう片方の手でスマホをいじりだした。
「大事なのは中身なんだから!」
ぜーったい雪斗たちみたいな人は嫌!
イケメンじゃなくても、素敵な人はいっぱいいるはずだし、顔が良すぎて性格が歪んだ人と恋愛なんて私はしないんだから!
「ふゆ、中身が良くてカッコいい男ならここにいるじゃん」
海くんが指差した先にはきょとんとした様子のルカくん。
「へ? 僕?」
言いたいことはわかるけれど、幼い頃からの出来事を思い出すと問題がありすぎて素直に頷くことができない。
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