恋をするなら彼ら以外

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「……ルカくんは確かにイケメンだし、優しいところもあるけど…………虫持って追い掛け回してきたり、怖い思い出ばっかりだから嫌」 今でもぞっとするような出来事ばかりだ。 嫌だと言って逃げているのにキラッキラな笑顔で「見て見てー!」と追い回してくるのだ。 悲しいことにそれが日常茶飯事だった。 「あれはふーちゃんにも見せたかっただけだよ!」 「いや、見せなくていいから!」 ルカくんが昆虫好きなのは自由だからいいけど、私にまで見せてくるのは本当に勘弁してほしい。 「あ、それとも俺にする? 今、フリーだけどー」 相変わらずの軽い口調で言ってくる海くんにため息が漏れそうになる。 「海くんはいつもフリーでしょ。真面目に付き合わないから」 「うーわ、生意気言うようになったねー」 きちんと付き合っている彼女はいないけれど、毎回女の子を変えてデートしているような人だ。ルカくんとは別の意味で海くんは嫌。
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