恋した相手は、

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「美歩……海くんから電話きた」 「早く! 早く出ないと!」 美歩に急かされながら電話に出ると、「ふゆ」と私を呼ぶ海くんの声にドキッとした。 「今、平気―?」 「……う、うん。どうしたの」 一昨日のお見舞い以来だから、少し落ち着かない。 それにやっぱり私の心臓、変だ。 前までは海くんと電話をしてもこんなに心臓の鼓動が騒がしくならなかったのに。 「今日時間あるー?」 「え、今日?」 「こないだの話、ちゃんとしたくて」 この間の話とは、私が海くんのことを気になっていると打ち明けた件だろうか。 でも、今日は……さすがに今日だけはダメだ。末永くんとした約束を破るわけにはいかない。 「ええっと……その、実は今日……美歩と末永くんと久保くんってクラスメイトの四人で遊びにいく約束してて」 素直に話すと、電話越しからは沈黙が流れる。 隣にいる美歩に助けを求めるように視線を流すと、パックジュースを飲みながら、私の方をニコニコしながら眺めている。 「へえ?」 低い海くんの声にびくりと肩を震わせた。
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