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安心という言葉が何故今でてきたのかわからない。
もしかして末永くんとなにか起こると海くんは思っているのだろうか。
「……みっともなくてごめん」
「え?」
「不安なんだよ。夢だったんじゃないかって」
電話越しでもわかるくらい切なげで、苦しそうな声音に胸のあたりがぎゅっとなる。
「ふゆが一ミリでも俺のことを気になってくれて、今までよりも近い位置にいるなんて一生叶わないって思ってた」
勿体なさすぎるくらい私はこの人に思われているのだと、言葉や声から伝わってくる。
……ダメだ、会いたくなる。
今までほぼ毎日会っていたのに。今日は無性に会いたい。
「だからさ、そのあとでいいから会いたい。ふゆの顔が見たい」
「……うん」
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