恋した相手は、

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*** 放課後になり、私と美歩と末永くん、久保くんは学校の最寄りのショッピングモールにやってきた。 特になにか目的があったわけではないけれど、普段このお店よくくるとか、ここがおすすめとか話をしながらふらふらと歩いていく。 「あ、これやらね?」 久保くんが指さしたのは、小さなゲームセンターのような一角にあるエアホッケーだった。 「いいねー! 私、こういうの久しぶり」 乗り気な美歩は久保くんに続いて中へ入っていく。私の半歩前を歩いていた末永くんは、立ち止まって振り返った。 「町田さんはどう? やる?」 「私もやりたい!」 こういうのは小学生以来だ。昔は雪斗とかとよく競って遊んでいたけれど、中学生あたりからはこういう遊びはしなくなった。 エアホッケーくらいの運動なら足の痛みを悪化させたりはしないだろう。向かいに立つ久保くんが不敵に微笑む。 「朔、負けたらジュース奢りな」 「いいよ。負けないから」 私と末永くん、美歩と久保くんのペアになってスマッシャーを構える。 先行は末永くんで平たい円盤を久保くんの方へと打ち込むと、見事に一発でゴールに入った。 「ぅわっ!? まじかよ!」 「えぇっ! 末永くんすごい!」
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