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どう返せばいいのかと返答に悩んでいると、美歩と久保くんがジュースを持って戻ってきた。
「ありがとう」
私にはメロンソーダが渡され、美歩はアボカドジュース。そして末永くんはコーヒーで久保くんはレモンソーダだった。
「これ飲んでみたかったんだよねー」
「美歩、本当妙な味好きだよね」
黄緑色のどろりとしたアボカドジュースを美歩は嬉しそうに飲んでいる。昔から美歩のこういう好みだけは私とは相入れないのだ。
「てかさー、ぶっちゃけふたりはどうなってんの?」
久保くんは私と末永くんを交互に見て、首を傾げる。
「告白は何度かしたけど、キッパリと振られたんだ」
あまりにもハッキリと末永くんが答えるものだから、私は目を見張る。
「え、まじか」
「だから今は、クラスメイトで友達だよね。町田さん」
「う、うん」
どうやら末永くんは告白の件も、振られた件も久保くんには隠すつもりはないみたいだ。
「朔が振られるとはなぁ」
しみじみと言うように久保くんがストローをくわえる。
すると私の隣に座っている美歩がわずかに身を乗り出して、キラキラと目を輝かせた。
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