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「末永くんって中学の頃からモテたでしょ?」
「おー、すごかった」
久保くんが中学の三年間の末永くんモテモテエピソードを話し始めると、美歩は楽しげにそれに聞き入る。
その横で末永くんは面倒臭そうにため息を吐いた後、ちらりと私に視線を向けてきた。
「町田さんは最近何か作ったりしてる?」
モテモテエピソードには加わらず、末永くんがハンドメイドの話をし始める。
私は最近興味のあることを思い出して、よく見ているサイトをスマホ画面に表示させて末永くんに見せた。
「今はスマホケースとか自作したいなーって思って、ここのサイトをよく見てるんだ。末永くんは?」
「俺は妹にとうとう服のアレンジとか頼まれ始めたんだよね」
「え、服のアレンジ!?」
末永くんの作るものは繊細でクオリティが高かったし、服のアレンジとかもセンスよくできそう。
それにしても妹さんの要求にいつも答える末永くんがすごい。
「もっとここをこうしたら可愛いから、お兄ちゃんやってって言われちゃってさ」
「末永くんの器用なところとセンスを見習いたい……」
「いやー、でも難しいよ」
ああ、やっぱりこうして趣味の話をしているときは楽しいって感じるし、友達として末永くんが好きだ。
友達の好きと、幼馴染の好き。そして、異性としての好きの形の違い。
やっと明確に好きの違いを実感した気がする。
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