恋した相手は、

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しばらく話し込んでいた私たちは、「そろそろ帰ろうか」と久保くんの一言で我に返った。スマホを見ると、海くんからは連絡は来ていない。 遊んでいる場所は伝えてあるけど……会う時間は決めていないままだ。もう解散するところと短くメッセージを打ち込んで送っておく。 これから海くんと会うの緊張するな。 エスカレーターを下り、ショッピングモールの総合受付のところに着くと、人目を引く二人組が目に止まって顔が引きつった。 かなり注目が集まっていて、遠巻きに女の子たちが見ているのがわかる。 「町田さんのお迎え?」 「え……あ、」 ひとりはそうだけど、ひとりは何故いると言いたい。 偉そうに腕を組んだ雪斗は私を睨みつけてくる。 「あの人、町田さんと少し似てるね」 「あれ、兄なんだ」 すると末永くんではなく、久保くんが何故か反応を示して雪斗と私を見比べる。 「まじで!? 町田さんってモデルの雪斗の妹!?」 まさか、久保くんが雪斗のことを知っているだなんて……。 久保くんが雪斗に「握手してください!」と言うと、不機嫌そうだった雪斗の表情が緩む。 ……チョロすぎる。 今絶対同性にも好かれてること知って、舞い上がってるでしょ。
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