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「妹の友達にそう言ってもらえると嬉しいな。いつも応援ありがとう」
完全仕事モードのキラキラスマイルで可愛らしい雪斗を目の当たりにして、目眩がする。
美歩を見ると、うっとりとしていて裏の顔も知っているはずなのに、どうして幻滅しないのか不思議で仕方ない。
「美歩」
呼ばれた美歩はキョトンとしている。
それもそうだ。雪斗が仕事モードのときは周りに平等に愛想を振りまいていて、こうして特定の女の子に声をかけることは今までなかった。
「もう暗いから送る」
「え、ゆ、雪斗くん?」
さすがの美歩も戸惑ったようで立ち尽くしていると、雪斗が歩み寄る。
「俺に送られるのが不満?」
「ふ、不満なんて!」
「じゃあ、来い。……他の男と出かけたりすんな」
先ほどまでのキラキラな笑顔が嘘のように、いつも通りの雪斗が美歩に顔を近づけて囁く。
隣にいた私には丸聞こえなので、きっと末永くんにも聞こえてしまっているはずだ。
……雪斗、頑張ってカッコつけているんだろうけど首まで真っ赤になってる。
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