恋した相手は、

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*** 私の家に着く前に、海くんが公園で少し話したいと言ったので、寄り道をすることにした。 白い街灯に照らされた公園のベンチに隣同士で座る。 たわいのない話なんていつもたくさんしてきたのに、今日はなにも出てこない。 隣にいる海くんに視線を向けると、海くんが私のことを見つめていて心臓がどきりと跳ねる。 「ふゆは俺のこと、まだ気になってるって思ってくれてんの?」 「……うん」 こんなときばかり海くんは自信なさげで、でもそのギャップに惹かれてしまう私がいる。 「あー……やばい」 手の甲で口元を隠す海くんが、「見るの禁止」と空いた手で私の視界を塞ぐ。 「……海くんはいつから私の頃好きだったの」 「自覚したのは小学生低学年」 あまりにも昔だったので、驚いて咄嗟に視界を覆っていた海くんの手を掴む。 「そんな頃から!?」 「ふゆは、俺の初恋だから」
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