きみだけは対象外（のはずだった）

恋した相手は、

おそらくは海くんに言ったのだろうけど、海くんは私の手を掴むと勝ち誇ったように笑みを浮かべた。

「まさかお前ら……」
「ふゆは俺の彼女になりましたー」
「はぁ！？」

雪斗が勢いよく立ち上がり、私と海くんの手を強引に引き剥がしてくる。

その横ではルカくんが嬉しそうに「おめでとう！」と祝福をしてくれて、キッチンの方からは、「きゃー！　やだ！　お祝いしなくちゃ！」とお母さんの声まで聞こえてきた。

「おめーは、イケメンは恋愛対象外とか言ってなかったか？　あ？」

私の頬を摘んで、凄みのある顔で怒り散らしてくる。

……自分が告白できなかったから、絶対腹いせだ。
まあでもイケメンがタイプかっていわれると、そういうわけではない。

「イケメンは対象外だよ」

雪斗の手を海くんが引き剥がすと、「ふゆに乱暴は禁止で」と私の腕を引いて後ろに隠してくれる。