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「てかさ、冬菜って雪斗くんとちょっと似てない?」
「たしかに! 目が似てるのかな」
まさかの指摘にどきりとした。
せっかくあの人たちの高校とは別のところに行ったのに、今バレるわけにはいかない。
それに並ぶと実際そこまで似ていないのだ。ある意味悲しいことに。
幼い頃から雪斗の方が美少女だなんて言われてきたし、私はどことなく似ている人程度だと思う。
「そんなことないって〜、この人のほうが断然綺麗な顔してるよ〜。あはは……」
明るい口調で返して、なんとかかわす。
雪斗を褒めるのは癪だけど、私の平穏な学校生活のためにも、今バレるわけにはいかない。
一つ上の兄と幼馴染という関係の彼らは、とにかく目立つ。
小学生の頃からなにかと私に絡んでくるので上級生には『雪斗くんの妹だからって三人にベタベタしすぎ』なんて言われてやっかまれることがよくあった。
中三になり、兄たちが卒業した。やっと平和になると思っていたのに卒業しても体育祭やイベントごとに顔をいちいち出しにくる。そのせいで私の日常は穏やかにはならなかった。
おまけに高校生になってから雑誌の読者モデルを始めたため、同級生たちから兄たちを紹介してくれとせがまれる日々。
断ると調子乗っていると悪口を言われ、嫌がらせをしてくる人もいたくらいだ。
中身もかっこよければ同級生にだって紹介できたけれど、むしろ紹介しないほうがいいくらいの最悪な性格。
顔が無駄にいい彼らは、幼い頃からちやほやされすぎたからか、性格が歪んでいる。
幼い頃から私がどれだけあの人たちに振り回されてきたか……。
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