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今まさに、校舎を出ようとしたその時。
勢いよく雨が降り出した。
大粒の雨粒がバタバタと音を立てて、アスファルトの道に無数の黒い染みを作っていく。
その染みは、たちまち全体に広がり、アスファルトの道を黒一色に染めていった。
わたしは、アスファルトに激しく跳ね返る水飛沫を見ながら、心の中で、ちぇっ、と舌打ちをした。
空を見上げると、限りなく黒に近い灰色の雲が、空全体を覆っていて、雨はまだまだ止みそうになかった。
わたしが昇降口で、恨めしそうに空を見上げていると、大野達也が歩いて来た。
最近、余り良い噂を聞かない幼なじみ。
不良仲間と連んでいるとか、いないとか。
(どっちやねん!)
最後に話したのはいつだっただろう?
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