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「雨じゃん」
達也は、わたしと同じように空を見上げて呟いた。茶色く染めた髪の毛が、いかにも不良っぽかった。
わたしが、横目で様子を伺っていると、
「あれ、咲良?」と、ようやく、わたしがいることに気が付いた。
「お、おう」
不良仲間と付き合っている、ということが一瞬、頭をよぎって、思わず不良っぽく返事をしてしまう。
「ぷっ。何それ?」
達也は、吹き出すと、ケタケタと笑った。
達也は笑うけども、わたしは、背もぐんと伸びて、髪の毛も染めている、達也のことが少し怖かったのだ。
だけど、笑っている顔を見ていると、昔の感じを思い出してきた。そして、あまりに笑い続けるその姿に、だんだん腹が立ってきた。
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