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「悪い人と付き合ってるって聞いた」
わたしは、ムッとして達也に伝えた。
「三嶋のこと?」
達也が真剣な顔になって聞き返す。
「知らない」
三嶋なんて知らない。誰かなんてどうでもいい。ただ、仲が良かった、たっくんが、悪いことに巻き込まれるのが嫌だった。
「何で不良なんてやってんのよ」
わたしは抗議するように達也に伝えた。だけど、達也は「うるせぇ」とボソリと言うと、横を向いてしまった。
気まずい沈黙が二人の間に横たわる。
雨がアスファルトを打ちつけるザーザーという音だけが昇降口に響いた。
雨は、先程より勢いは衰えたものの、まだまだ止みそうになかった。
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