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「咲良は変わらないよな。昔から」
達也がボソリと言った。
「そうだよ。わたしは何も変わらない。つまらない女だよ」
わたしは達也を見ずに言った。
中学生になり女子の多くは、着飾って自分を良く見せることに必死だった。わたしは、いまいち、そんな気になれなくて、女友達と話をしていても、適当に話を合わせているだけだった。
「咲良は強えんだよ」
達也は下を向いて、タイル張りの床のタイルの目を、運動靴の先でなぞりながら言った。
強い?わたしが?
そうなのだろうか。わたしこそ、周りの目を気にして変化を恐れ、頑なに今の自分を貫いているだけの臆病者なんじゃないだろうか。
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