24人が本棚に入れています
本棚に追加
8
小学生の頃、家が近くにあったわたし達は、毎日のように一緒に並んで歩いて帰った。
その時のことを思い出した。
帰り道、近くの原っぱに寄り道をして、花を摘んだり、駆け回ったりして一緒に遊んだ。
「懐かしいね」
追いついて、隣りに並んで歩く達也に、わたしは笑って話し掛けた。
しかし、達也は低い声で「ああ」、と言ったきり、うんともすんとも話さなくなった。
「ちょっとぉ……」
わたしが文句を言おうとしたその時、
「あのさ!俺、不良、やめるからさ、俺と付き合ってよ」
達也に突然、告白されてしまった。
ええー。あんた、それはないでしょう。
だってさ、さっき久し振りに会ったばかりだよ。
さっき、わたしに会うまで、わたしのことなんか、頭になかったよね。そうだよね。
なのに付き合おうって?
てめー、幼なじみを舐めんなよ!
その間、零点五秒。わたしの頭の中を、不良のような言葉が走り抜けた。
最初のコメントを投稿しよう!