無重力に放り出されたような

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無重力に放り出されたような

「お母さんはさ、なんでいつも諦める方に考えちゃうわけ?」 「だって……常識考えなさいよ。入院している人に毎日メッセージ送るなんて、迷惑なだけでしょう。今はそっとして」 「それって放置じゃん!」    一年前の私は、両親の離婚、それによる中学受験の断念、引越しに転校……もう自分の足場が壊れる寸前だった。  息をするだけでも心がざわついて、バランスを崩したら暗い無重力空間に放り出されるような――そんな毎日だった。  未宇(みう)の入院は、そのさなかで投下された爆弾だった。
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