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「聞いてみようかな」
お母さんが教えてくれるかは分からない。
知ったところで、私の足場がまたぐらつくだけかもしれない。
だけど今は、予定と違う未来でかけがえのない出会いがあるのを知っている。
立ち止まってもつまずいても、それこそ無重力空間に放り出されても、なんとかなる。
「失言しといてなんだけど……千波がしたいようにするのが一番だよ。次は私が応援する番」
未宇が微笑んでいる。
ああ、また私は手をさしのべられている。
うん、大丈夫。
暗闇では色が見えなくても、光さえあれば黒から幾万の色に切り替わることが分かったから。
しかも光は私の目の前にいて、手をつないでくれている。
なんて心強いんだろう。
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