深海と宇宙

1/5
前へ
/11ページ
次へ

深海と宇宙

  「正直、ウザくなかった? 私のメッセージ。あ、あと今日も一人の方が良かった?」    今さら……本当に今さらだけど、ちょっと後悔している。  自分のことで精一杯だったろう未宇に毎日メッセージを送りつけたこと。  しかもよく言えば他愛ない――要するに、どうでもいい話や画像ばかり送っていた。  一応、長文になりすぎないようにとか私なりに気はつかったつもり。  最初は何日かに一回既読がつく程度だったけど、たまに返信もくるようになった。  だからいいんだ、私は正しかったと思いこんでいた。    でもそれが私の自己満足でしかなかったらどうしよう。  今日だって、未宇は一人で来たかったかもしれない。  つぎつぎに不安がわき上がってくる。  お母さんの忠告通りだったのかも……そんな弱気も一緒に。 「今さら気にしてんの?」 「う……だ、だってさあ」 「今日はもともと千波も誘うつもりだったよ。じゃなきゃ学校行きたいこと話さないよ」 「そっか」 「メッセージの方は……うーん」  未宇の視線が私から机に落ちた途端、鼓動が早くなり背中を汗が伝っていく。  さっきは懐かしさで大目に見たけれど、やっぱりこのエアコンは修理に出すべきだと思う。  カーテン越しでも凶悪な太陽の光が私たちの席まで届き、一度気にすると頭が『暑い』で埋まり思考できなくなる。    汗と一緒に唾もたまり、まとめて飲みこんだら喉がなった。  
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加