黒色ランドセルの彼女

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　日曜日の朝、久しぶりに妹から連絡があったと思ったら、来年、小学生になる姪っ子のためにランドセルを買ってほしいという要請だった。

「ランドセルって、思ったよりずっと高いの。これから先、いろいろお金がかかるしさ、お願い！」

　しぶしぶながらも承諾してしまったのは、妹や姪っ子に対する愛情だけでなく、長子である自分の代わりに、地方の実家に残って高齢の母と一緒に暮らしてくれていることへの負い目もあった。特に、婿養子となってくれた義弟には頭が上がらない。

　30をとうに過ぎたわたしは、出産どころか結婚の目途もたっておらず、きっとこの先も変わらないだろう。それなりの会社に正社員として勤めているから、経済的にはある程度余裕があるのがせめてもの救いだ。